ミュージシャンによる騒音性難聴と耳栓使用の実体験
今回の記事は、ご自身の音楽活動と主に岡山県最大級のドラムスクール「ホットハーツ」を運営されている清藤羚之(きよふじりょうじ)さんに、現在の騒音性難聴について寄稿いただきました!
ドラマーならではの貴重な体験ですので、是非ご一読ください!!
大爆音のスタジオに何時間も
12歳からドラムを始めて、今年で45年経ちます。昔は耳栓をする事すら、知らなかったと思います。18歳で上京して、アルバイトをしながらバンド活動をしていた頃も、大爆音で何時間もスタジオでリハーサルを繰り返していました。
31歳で岡山に帰郷し、自分のドラム教室「ホットハーツ ドラムスクール」を立ち上げ、レッスンをする様になり、ほぼ毎日、25年に渡り、通算で740名近い生徒さんとレッスンして来ました。
一番多い時期は、130名もの生徒さんと、レッスンスタジオで1日12時間以上も常に大爆音の中に居る事になる週末もあり、お蔭様で岡山県最大級のドラムスクールと言って頂けるくらいにまで成長する事が出来ました。
ふと立ち寄ったメガネ屋さんで耳の検査
フジロックフェスティバル2ステージ出演。もうこれ以上は、練習出来ない。
そこまでやらなきゃいけない時や、コロナ前までは、毎年夏のドラム合宿で、2泊3日ほぼ丸1日、ドラムの音の中に居る・・・そんな状況で永年に渡り痛めつけられた耳は、4000㏈の所だけ、極端に聞こえなくなる「騒音性難聴」と言う状態に、知らぬ間になってしまっていました。
ふと立ち寄った、全国チェーンのメガネ屋さんで、無料で耳の検査をして頂き、初めて発覚しました。
ただ4000㏈辺りはさほど聞こえてなくても、私生活には全くと言って良い程、影響が無かった為、自覚がありませんでした。しかしこのまま進行し、他の音域も聞こえ辛くなると、最終的には私生活に支障をきたす場合もあるそうです。
また目の角膜の細胞とも同じで、耳の中の音を聞く為の細胞も1度悪くなると、2度と再生しないと聞いた事もあり、怖くなりました。
国内外のアーティストの現状
以前から、耳のトラブルで、活動休止や、引退に追い込まれる有名アーティストも多かった様に感じます。
海外のアーティストは、比較的早い段階で、イヤープラグを使用していた事も知り、自身でも使ってみたいと思う様になりました。耳の保護に加え、サスティーンが抑えられる事により、音の粒や、ズレがハッキリと分かる様になると言う方もいらっしゃいますね。
実際日々のレッスンでは、ドラムを叩いた後すぐに話し始めたり説明をしなければならない事も多く、常に耳栓を装着しておくのは難しいと感じましたが、ひたすら叩く上級者向けのレッスンでは、耳の保護と言う観点からも、凄く助けられていると思います。レッスン後の疲労具合も、緩和される感覚があります。
ミュージシャン生命を守る為にも、末永くレッスンを続ける為にも、日々イヤープラグを使用して、耳を大切に守って行きたいと思います。
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清藤羚之(きよふじ りょうじ)
(株)ホットハーツ代表取締役・ 東京RCCドラムスクール講師。「グループ魂」富澤タク、Chirolyn、「BOØWY」深沢和明と活動。CORーSEZ、六ッ森恵子など、3度のメジャーCDに参加。'16年仙台アラバキロックフェス、’17年フジロック2ステージ出演!
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