September 08, 2021

楽器を演奏すると脳が喜ぶ:音楽を聴くこと、演奏することはなぜ良いのか?

楽器を演奏すると脳が喜ぶ:音楽を聴くこと、演奏することはなぜ良いのか?

音楽を聴いたり演奏するときに脳で起こること〜人生の質を高めるために

こんにちは!本日もおつかれさまです。

 これまでの人生で、音楽に助けられたことはきっとあると思います。

人間関係での辛い出来事を乗り越えようとする時や、運動能力を高めたい時など、様々なシーンにおいて、音楽が役立っていることでしょう。特に、ストレス解消においては、素晴らしい効果がありますよね。

音楽の面白さは、聴くだけでなく、演奏することでも癒されることです。

ピアノを弾いたり、ギターで好きな曲を弾くには、他のことでは得られない集中力が必要です。今この瞬間に深く集中するため、日々のストレスから意識を切り離すことができます。

また、ストレス解消に役立つだけでなく、特に幼児の脳の発達に音楽が役立つことを示すデータが増えてきています。具体的には、長期記憶力の向上、言語能力の向上、反応速度の向上などが挙げられます。

脳の発達という点では、幼い子どもが最も有利ですが、これらの知見は、すべての年齢層に当てはめることができます。

 では、脳は音楽をどのように受け取り、処理するのでしょうか。

 

音楽を聞くとき、脳で何が起きているのか?】

なぜ、人によって心に響く曲が違うのでしょう?好きな曲を聴くと鳥肌が立つことがあるのはなぜでしょう?


音楽を聴くと、脳のさまざまな部分が連携して、聴いたり演奏したりしたものを処理します。音楽の処理には、次のような脳の部位が関わっています。

前頭葉 / 側頭葉 / ブローカ野 / ウェルニッケ野 / 後頭葉 / 小脳 / 側坐核 / 扁桃体 / 海馬 / 視床下部 / 脳梁 / 被殻

 これだけ多くの部位が、音の処理に関連しているために、結果として、音楽を聴くメリットを、非常に広範囲に受け取ることができるのです。

音楽の複雑さを考えると、その処理に脳の多くの部分が関与している理由や、その結果、音楽の効果が非常に広範囲に及ぶ理由も理解できることでしょう。

単に音楽を聴くだけでなく、リズムを理解したり、テンポに合わせたり、歌詞の意味を理解したり、さらには、歌詞の意味を自分の人生の経験と関連づけたりすることもできるのです。

Wikipediaより 緑色の部分が側頭葉

 脳の側頭葉は、言語や聴覚に関わる部位ですが、音楽を聴くときに反応する部位は、さらに多岐に渡ります。

 いくつか例を挙げると、他人の言葉を理解する働きをするウェルニッケ野、記憶を関連付けて刻み込む海馬、感情を処理する扁桃体、リズムを処理する被殻も重要です。

Wikipediaより 人間の脳の図、ブローカー野とウェルニッケ野

 

【音楽と記憶力の関連性

 さらには、音楽が脳に与える影響の中でも、特に記憶に対する影響は、アルツハイマー病やパーキンソン病などの退行性神経変性疾患に関連するものとして、注目に値します。

 例えば、セントラルフロリダ大学の2人の教授(神経科学者の菅谷公宣氏と、世界的バイオリニストの米谷彩子氏)は、音楽が、反応のない後期のアルツハイマー病患者の脳に効果的に働くことを発見しました。

 バーネットオナーズカレッジで、米谷氏と共同で「音楽と脳」という人気講座を担当している菅谷氏は、次のように説明しています。

「アルツハイマー型認知症の患者さんは、末期になると無反応になることが多いのですが、好きな音楽を流すヘッドフォンを装着すると、目が輝いてくるんです。動き出して、時には歌い出します。その効果は、音楽を止めても10分くらいは続きます。」

さらに印象的なのは、記憶力の向上には音楽の種類は関係なく、人生の早い段階で音楽を聴いていればよいということです。

「好きな音楽を流すと、脳のさまざまな部分が反応します。つまり、音楽に関連した記憶は感情的な記憶であり、アルツハイマー病患者であっても決して色褪せることはないのです。

 記憶を取り戻すことを必要としている人たちに役立ち、良い気分が続くことを後押しするためにも、音楽は役立っているのですね。

 このように、好きな音楽を聴いて脳を鍛えることで、認知機能の向上、記憶の回復、その他の無数のメリットを得ることができます。

 

【音楽を演奏するときに起きていること】

 それでは、趣味またはプロとして音楽を演奏している場合はどうでしょうか?ミュージシャンの脳は、そうでない人たちの脳と何か違いがあるのでしょうか?

 音楽を聴いただけで脳が爆発的に活性化することを考えると、実際に演奏したときの効果の高さというのは、想像に難くありません。

 ここには、演奏しながら楽譜を読んだり、メンバー間で調整したり、オリジナル楽曲を作曲したりするための、脳のプロセスがさらに加わります。

 そしてこれらの作業は、他の職業や趣味の人にはできない(または必要のない)方法で、音楽家の脳を発達させます。例えば、音楽のように記憶力、運動能力、協調性などを総合的に必要とする活動はほとんどありません。(他のアクティビティについては、自宅でできる10の趣味に関する記事をお読みください。)

 ミュージシャンが一つの曲を演奏できるようになるには、様々なステップが必要です。

 まず、作曲しなければならず、そのためには全く別の頭脳を使うことになります。オリジナル曲でない場合は、楽譜を使って演奏方法を学ぶか、耳で聴いて演奏するかのどちらかになります。

 楽譜や録音で演奏できるようになったら、次に何度も練習を重ね、何の助けもなしに演奏できるまで、曲を覚えなければなりません。

 自分の部屋で一人で演奏するだけでなく、観客を前にした本番のプレッシャーの中でも演奏できなければなりません。

 人前で話したことがある方なら、準備の有無にかかわらず、聴衆を前にして話すことがいかに難しいかを知っているはずです。

音楽の生演奏は、人前で話すことに似ていますが、さらに楽器の演奏、バンドメンバーの調整などの責任が加わります。

そのため、音楽家は自分の演奏を、どんなに困難な状況にあっても混乱しないレベルで記憶しなければなりません。これは他の活動ではほとんど必要とされないレベルです。

 音楽家が、そうでない人たちに比べて記憶力が優れていると言われているのも納得できます。また、音楽を演奏することで得られる記憶の効果は、長期記憶にまで及ぶというデータもあります。

 もちろん、音楽をきちんと演奏するためには、記憶力だけでなく、発声や運動能力、反応速度など、さまざまな要素が必要になります。そのため、子供たちはできるだけ早く楽器を手にすることが奨励されています。

 子供の成長という観点から見れば、小さい子供の方が有利なのは確かですが、今からでも遅くはありません。

 音楽を演奏することは、年齢に関係なく誰にでもメリットがあります。 音楽を聴くだけで、脳は喜ぶでしょう!

 

 【音楽を聴くことで得られるメリット】

 ジョンズ・ホプキンス大学によると、音楽を聴くことには、次のようなメリットがあるそうです。

・不安の軽減

・血圧を下げる

・痛みの軽減

・睡眠の質の向上

・気分の向上

・覚醒度アップ

・記憶力アップ

 これらの効果は、様々な場面で発揮されます。例えば、ランニング中に疲れ切っていたり、精神的に参っていたり、走り切るモチベーションがない状態でも、ヘッドフォンの音楽のおかげで、元気が出たりします。

 試合前のアスリートにとっては、エネルギッシュな音楽を聴きながらスタジアムに向かうことが、良いプレーをすることにつながり、観戦する側にとっても、音楽によって気分が高まります。

 逆に、音楽は忙しい一日の疲れを癒したり、寝る準備をしたり、リラックスしたりするのにも役立ちます。寝るときにに聴くプレイリストもあり、音楽が睡眠の質を高める効果があることがわかります。

 音楽には精神状態を操作する性質があるため、医学界でも、音楽の持つ癒しの力に注目が集まっています。18世紀には、音楽療法が行われていたという記録が残っています。現代の音楽療法は、身体的、感情的、認知的、そして社会的なニーズに対応するために用いられています。

 音楽は、医療面でのサポート以外にも、楽しい時間を過ごすための活力源となります。 友人と行ったドライブ旅行のように、思い出をよりよく残すこともできます。何年も経てば、その旅行のことは忘れてしまうかもしれませんが、当時の曲が流れてくると、一瞬にして楽しかった思い出に戻ってしまうのです。

 ミュージシャンは、世界中のどの職業よりも、人々の気分を良くし、より健康的に生き、一生懸命働き、貴重な瞬間を思い出すのに役立っています。

 ステージで演奏しているときも、観客として踊っているときも、自宅で練習しているときも、ミュージシャン用の耳栓で大切な聴覚を守りましょう。

それではまた!

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