若い音楽家を耳鳴りや難聴から守るために〜スポーツスタジアムでの聴覚保護についても
こんにちは。本日もおつかれさまです。
EarPeaceは10年以上に渡って、音楽体験をより向上させつつ有害な音量からは耳を守り、ミュージシャンも使用できるオリジナルな高性能耳栓を製造、販売してきました。
そして先月、将来有望な若いミュージシャンたちの聴覚保護のため、マーチングバンドプログラムを開始することを発表しました。
現在すでにMighty Sound of Maryland、The Berklee College of Music、The Huskies Prep Bandと提携していますが、他大学や高校のバンドプログラムにも同様に展開できることになりました。
今回、EarPeaceのマーチングバンドプログラムのディレクターであるサラ・ホワイトへインタビューを行いました。
本プログラムが生まれた経緯をはじめ、バンドディレクターや学校の管理者が子どもたちの耳を守るために知っておくべきことについて、詳しく聞いてみました。
Q : こうした若い音楽家たちに聴覚保護が必要であると認識した経緯について教えてください。
サラ:聴覚保護に特化したブランドとして継続的に行っている調査から、「騒音性難聴(NIHL)は、認識されていないことの多い重大な健康問題である」ということがわかっていました。
2020年末のこと、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が10代の若者を対象に行った、騒音曝露と学校での聴覚保護の取り組みに関する調査結果を発表した記事を目にしました。
記事を読んで、特に若い人たちに意識されていないことが問題と知っても驚きませんでした。
というのも私自身、40代前半になるまで聴覚保護の重要性を認識していなかったからです。14歳で初めてコンサートに行って以来ライブが大好きで、またスポーツの大ファンなので、数々の大音量のイベントにも参加してきました。
スポーツイベントに行き始めたのは幼い頃で、当時は綿菓子とポップコーンにしか興味がありませんでした。そんな感じでしたから、30年以上もの間、聴覚保護具を身に付けずに大音量のイベントに参加してきたのです。
その結果どうなったかというと、ある日突然耳鳴りになりました。もっと早くから耳を守ることの大切さを知っていれば、間違いなく聴覚保護具を使用していただろうと思います。
聴覚障害については十分に認識されておらず、若いうちから聴覚を保護しておくことで後々の人生に役立つということがわかっていないようです。中でも頻繁に練習や演奏をする若い音楽家たちは、後になってきちんと耳を保護していたことに心から感謝するでしょう。
EarPeaceのモットーの1つは、"保護と保全"です。
本マーチングバンドプログラムは、聴覚保護の重要性と、若い音楽家たちが聴覚を保護し将来に備えることがいかに有益であるかに焦点を当てて開始されました。
EarPeaceの使命は「世界の聴力を救う」ことです。もちろんこれは大変なことだと思いますが、情熱を傾けて聴力の健康の大切さと保護の方法についての認識を高めていきたいと望んでいます。
"子どもたち、中でも中でも頻繁に練習や演奏をする若い音楽家たちは、後になってきちんと耳を保護していたことに心から感謝するでしょう。"
Q : サッカーの大ファンだそうですが、この問題への情熱にどの程度影響していますか?
サラ: そうです!私にとっては、地元のスタジアムでお気に入りのチームを応援することほど楽しいことはなくて、考えるだけでゾクゾクします。
そこで耳にする音を挙げると、チームのテーマ曲に始まり、スタジアムのサウンドシステムから流れる音楽、国歌斉唱時の花火、タッチダウン後にマーチングバンドが演奏するファイトソングからスタンドの歓声まで、数えればきりがないほどです。
2年前には、地元で開催されたNFLのプレイオフゲームに参加する機会がありました。当時、私はEarPeaceの新入社員だったので、耳栓を携えてゲームに参加しました。
正直なところ、当初はソーシャルプラットフォーム用に製品や雰囲気あるライフスタイル写真を撮る機会を期待していて、実際にイベントで着用すべきだとは思っていませんでした。
ところが、第3クウォーターに入ると、スタジアムの巨大な明かりが点灯し、デシベルカウンターが表示され、ファンに対し「もっと大きな声で応援してください!」との呼びかけがありました。
何千人ものファンと一緒にできるだけ大きな声で叫びたかったですが、我慢しました。この頃までには、騒音性難聴(NIHL)に関する多くの新しい情報や知識を得ていたので、自分自身にこんな風に言い聞かたのです。
"みんな、気の毒に思うかもしれないけど、メーターは119dBに達していて、聴覚は今この瞬間もダメージを受けているのよ。"
そして、写真撮影のために持参した耳栓をすぐに装着したことを覚えています。私にとって、様々な意味で光明を得た瞬間でした。
スタジアムというのは大音量です。最大限の声量で応援することを奨励されていて、楽しみの一部ではありますが、果たして犠牲については考えたことがあったでしょうか?
そこで、この「大声」というカテゴリーにも取り組む必要があると考え、私たちはつい最近、「Cheer Louder, your team depends on You」(もっと大きな声で応援を、チームの勝利はあなたにかかっています)というキャンペーンを開始し、そこで「Play it Safe and wear Hearing Protection! 」(聴力保護具を着用し安全にプレイしましょう)と強調しています。
このキャンペーンは、新しい広告活動であり、啓発活動でもあります。注目を集め、スポーツイベントにおける聴覚保護具、耳栓着用の重要性への認識を広める一助となることを願っています。
Q : 今回のマーチングバンドプログラムに向けて、EarPeaceとしてどのように取り組みましたか?
サラ:すべて自然な流れでした。パンデミック前(2019年の秋頃)に、いくつかの大学に対してマーチングバンドの聴覚保護に関する非常にソフトな働きかけを行いました。
学校側が私たちと話をしたり、バンドメンバーに聴覚保護具を試しに付けてもらったりすることに興味があるかどうかを確認したかったのです。連絡を取ったバンドディレクターたちは、もっと詳しく知りたいと望み、バンドメンバーが耳栓を試すことに同意してくれました。
この時点で、次のステップとして、高校と大学両方の教育業界向けに特別にデザインされたプログラムを構築する必要があると感じていましたが、パンデミックが発生したために、計画は棚上げされてしまいました。
高校と大学が完全にバーチャル化されたことで、対面式のイベントは中止となり、マーチングバンドを含むいくつかのイベント以外は、2020年の終わりから2021年の初めまで延期されました。
2021年の初夏になり、ようやくマーチングバンドプログラムに再着手しました。ライブ音楽が復活し、高校や大学は2021年秋に直接訪問する計画を立てており、マーチングバンドの大会やイベントも予定されていたので、プログラムのストラクチャーを最終的に決定し、来たる2021年から2022年のスクールシーズンに向けて準備を整えるにはちょうど良いタイミングと感じたのです。
EarPeaceの一員として仕事をすることを誇りに思う理由は、このブランドと、EarPeaceのCEO、ジェイ・クラーク氏の魅力もその一つであり、さらにはチーム全員がブランドのミッションに情熱を持っていることです。
EarPeaceというブランドは、聴覚の健康に対する認識を広め、そのプロセスを楽しいものにするというやりがいある仕事に誇りを持っています。
またこの会社には、誰もが意見を出し、また聞くことができるオープンで魅力的な雰囲気があります。
MARCHING BANDプログラムの初期段階において、私はいくつかのアイデアを持っていましたが、クラーク氏は「いいよ。君ならできる」と信頼してくれました。 そして、製品の提供からWebページ、アウトリーチ戦略など、プログラムの構成をすべて私に任せてくれたのです。
常に信頼と絶え間ないサポートがあり、EarPeaceチームとして仕事をするのが好きな理由はこのことと、ひとえにそのミッションにあります。
"私たちはコミュニティーとして、若い音楽家たちを教育すると同時に、聴力を保護するためのソリューションを提供することができます"
Q : 吹奏楽部のディレクターや管理者の方々へ、聴覚保護について一つだけ伝えるとしたら何ですか?
サラ:バンドのディレクターや管理者は、若い音楽家の指導者として重要な立場にあります。まず、このあまり認識されていない健康問題を解決するための顔になるのだということを伝えます。
私たちはコミュニティとして、若い音楽家たちを教育すると同時に、聴力を保護するためのソリューションを提供することができます。
EarPeaceの耳栓は、音を遮らずに音量を下げるよう特別に設計されていて、何時間も装着することができます。また、再利用可能であり、適切な手入れをすれば何年も使用できます。ずっと安全な音量で聞くことができるのです。
Q : イヤーピースのマーチングバンドプログラムの将来に対して期待することは何ですか?
サラ:マーチングバンドのプログラムが成長を続け、EarPeaceの耳栓がバンドメンバーのユニフォームの一部となり、練習や演奏に欠かせないものになることを願っています。
また、学校のイベントに参加しているファンの方々にも、聴覚の健康に関する意識を持ってもらえるようなプログラムにしていきたいですね。ブランドについて知り、ミッションを身近に感じてもらいたいです。
もし、週末の大学フットボールの試合前にスポーツチャンネルで放送される番組の中で、EarPeaceの耳栓に関するコーナーがあったら、最高に幸せでしょうね!それが私にとっての#missionaccomplishedです。
繰り返しになりますが、このチームには大きな夢があるのです。
"EarPeaceは、音を遮ることなく音量を下げるよう特別に設計された聴覚保護具です"
Q : もっと情報が欲しい人は、どうやって連絡を取ればいいのでしょうか?
サラ:一番良い方法は、sarah@earpeace.com または marchingband@earpeace.com にメールすることです。マーチングバンドのウェブページにアクセスすれば、デジタルカタログを請求できます: www.earpeace.com/marchingband
以上です。日本でも同様の活動が展開されることによって、問題への意識が高まり、解決方法とともに広まっていくことを願います。
それではまた!